2010年10月アーカイブ

『ワインラバーズBOOK』

 突然ですが、ワインはお好きでしょうか。私は大好きです。
 今回ご紹介する『ワインラバーズBOOK』
の著者はドラマの失敗も記憶に新しいとんでもワイン漫画『神の雫』のアドバイザーである斉藤研一氏です。ちなみに、あの内容はあくまで「漫画」です。主人公たちのようなテイスティング能力を持つ人間はこの世に存在しません。ソムリエの世界大会優勝者でもガンガン外します。
 
 ワインはお酒の中でも日本人には比較的親しみのないものです。ですから、ワインに関わる人たちはどんな切っ掛けでもいいからワインに興味を持ってほしいという思いがあります。
 実際、『神の雫』本編に登場するか、コラムで斉藤氏が取り上げたワインはとてつもない人気商品となりました。ドラマ放送時は「神の雫登場ワイン!」というコピーとともに陳列されているワインがいたるところで見られ、『神の雫』切っ掛けでワインの世界に興味を持った人は少なくなかったのです。『神の雫』の功績はとてつもなく大きく、斉藤氏の功績も大きいのです。
 
 今回の書籍は、まさにワインを愛する人々のために書かれた本です。用語や葡萄品種の説明もありますが基本的にはワインの世界をさらに味わうための本であるため、入門書のような印象を持って気軽に手にとった場合、聞いたことのない言葉を多く目にし理解不能に陥ります。
 しかしその分紹介されている115本のワインについては細かな紹介がされており、ワインにまつわるストーリーを深く味わうことができます。それは非常に美意識に満ちた文章であり、読めば読むほどワインについての関心、愛情が深まること間違いなしです。よだれも溢れそうになりますけど。さらにオールカラーで印刷されていますので、眺めているだけでも楽しくなってきます。
 入門書ではありませんが、ワインに対しての愛が深まる実用書です。ワインをもっと知りたいという方にはオススメ。

本間さん

事の発端は彼と同じクラスという本間という女子生徒の存在だったように思う。
彼と席が近いとやらで仲良くなり、どうやら友達以上の感情を互いに抱いているようであった。
もちろん彼の口から直接そのようなことを言われたわけではない。
そういうのはなんとなく伝わってくるし、わかってくるものなのだ。
彼からはよく彼女のことを聞かされた。
面白くないと感じながらもわざとクールなふりをしていた。
そうするとますます彼は彼女の話を続けた。
もしかしたら自分は試されていたのかもしれない。
他の女の子の話題をされるとどんな反応を示すのかを。
 
夏、地域の祭りに彼と出かけた。
道路の脇の石垣に二人で腰を下ろしていると、知り合いにたびたび遭遇した。
その知り合いの中に本間さんも含まれた。
「あらあ!財前くん!」甲高い声に振り返ってみると彼女が友人2、3人を引き連れて歩いていた。
可愛い浴衣をきて髪をポニーテールにしていた。小柄で笑うと八重歯が見えた。
どことなく自分に似ていると思った。
「今日は彼女連れえ?お邪魔だったかしらあ?」我々をそんなふうに茶化しながら彼と少し会話を交わし、また歩いていった。
少し遠くまで行ったときに、彼女はちらっとこちらを振り返っていた。

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