もう数年も前に自分の元へおさめられた本がある。
確かにこの本を開こうとするには、当時のわたしはやたらに
欲を満たすことに毎日の時間を費やしていた。
知識欲、経験欲、活字欲、物欲、多ければ多い程満足し、終わりがなかった。
そんな時に手にとらなくてよかったのかもしれない。
もしかすると今がベストタイミング。
シュトルムの『みずうみ』が今わたしの目の前に置かれている。
シュトルムはドイツの作家で法律家とも知られている。
『みずうみ』という日本語の音のなんとうつくしいこと。
哀愁とか静謐とか透明とか純粋とか...
そんな言葉がしっくりとこころに残る本なのだろうと想像する。
さて、天気のよろしくない今日、雨の音を聞きながら本を、と思い開くと
栞が挟まれたページが自然と開いたのである。
そこに表れたのは、色鮮やかに咲き誇るガーベラの絵が描かれた栞なのだ。
赤、黄色、オレンジ、ピンクのガーベラ。
「みず」に揺られる小さなボートをしずかに漕ぎだすかのような感覚でいたのだ
が、
一瞬にして夢から醒めたように、こころの中のピンと張った糸がプツリと切れた
。
時間とともに茶色くやけた紙に印字される小さな文字たちが、
すべてこのガーベラのためにあるかのようなふうけいが、手のひらの上の本に広
がる。
今日は、雨だけれど、やっぱり外に出てみよう。雨に滴るふうけいを見よう。
ぽっとあたたかい空気の熱を奪いたくないから、そっと本を閉じた。
確かにこの本を開こうとするには、当時のわたしはやたらに
欲を満たすことに毎日の時間を費やしていた。
知識欲、経験欲、活字欲、物欲、多ければ多い程満足し、
そんな時に手にとらなくてよかったのかもしれない。
もしかすると今がベストタイミング。
シュトルムの『みずうみ』が今わたしの目の前に置かれている。
シュトルムはドイツの作家で法律家とも知られている。
『みずうみ』という日本語の音のなんとうつくしいこと。
哀愁とか静謐とか透明とか純粋とか...
そんな言葉がしっくりとこころに残る本なのだろうと想像する。
さて、天気のよろしくない今日、雨の音を聞きながら本を、
栞が挟まれたページが自然と開いたのである。
そこに表れたのは、
赤、黄色、オレンジ、ピンクのガーベラ。
「みず」
が、
一瞬にして夢から醒めたように、
。
時間とともに茶色くやけた紙に印字される小さな文字たちが、
すべてこのガーベラのためにあるかのようなふうけいが、
がる。
今日は、雨だけれど、やっぱり外に出てみよう。
ぽっとあたたかい空気の熱を奪いたくないから、